離婚した夫婦の中で、子供がいる状態で離婚をした夫婦の割合は6割を超えています。
単純計算で、離婚をしたカップル10組のうち6組を超える夫婦が子供のいる状態で離婚をしたという事です。
離婚に巻き込まれる家族が多ければ多いほど負担は大きく、やるべき事も増えてきます。
今回は子供のいる夫婦が離婚に至った場合の「養育費」について見ていきたいと思います。
子どもがいる夫婦が離婚する場合の養育費について
子どもの監護権を指定する
子供がいる状態で離婚に至った場合、夫・妻のどちらかに子供の養育全般を担当する監護権を指定しなければなりません。これが親権者の指定にあたります。
夫婦のどちらも存命のまま離婚にいたった国内のケースでは、過半数を超える夫婦に1人以上の子供が存在します。離婚をしても父親、母親である事実が変わる事はありませんが、親権者ではない親はどのようにして子供と関わっていけば良いのでしょうか。
もちろん離婚して親権者でなくなってしまったとしても、子供との接点が完全になくなるわけではありません。
定期的に面会交流をして一緒に食事を楽しんだり、運動会を観覧するなどして子供の成長を確かめる権利は認められています。
それでは、普段の生活にかかる費用や進学費用はどうすれば良いのか。次の項で見ていきたいと思います。
監護権を持たない親が養育費を支払う
子供のいる夫婦が離婚をした場合、親権者を指定します。子供はこの時に指定された親権者と生活を共にしていくことになります。
では親権者ではなくなった親はどうなるのでしょうか。親権者でなくなったからといって、子供の親でもなくなってしまう事はありません。
たとえ離婚をして子供の姓が変わろうとも親は親です。この親権者でなくなった親が子供の生活や成長の為に支払うお金が「養育費」となります。
養育費は実際に子供を育てる親(母親)が扶養義務のある法律上の親(父親)に対して請求する事ができます。
一般的に子供にかかる費用の中で、片方の親の収入では賄うことができない部分を養育費で充当するという事になります。
自分の子どもの為のお金とはいえ、養育費を支払う側としてはその金額が気になるところです。
養育費の相場は、いくらぐらいが妥当なのでしょうか。
養育費の相場と目安
それでは、養育費の相場や大体の目安について詳しく見て行きたいと思います。
ここでは、母親が親権者となり、父親が養育費を支払う事を想定して考えてみます。
養育費を決めるポイントは、以下の3つです
- 父母の年収
- 子どもの年齢
- 子どもの人数
家庭裁判所が、養育費又は婚姻費用の算定をする際に参考として活用している資料である養育費算定表に、大体の基準が記載されています。
養育費の算出例
ここでは、いくつか具体例を挙げながら目安の金額を算出していきたいと思います。
例1:子ども一人のケース
父 | 会社員 | 年収400万円 |
---|---|---|
母 | 会社員 | 年収250万円 |
子 | 保育園 | 4歳 |
この条件で養育費算定表に当てはめてみると、支払うべき養育費の相場は1か月あたり2万円~4万円となります。
例2:子ども二人のケース
父 | 会社員 | 年収650万円 |
---|---|---|
母 | パート | 年収150万円 |
子 | 小学生 | 10歳 |
子 | 小学生 | 6歳 |
この条件で養育費算定表に当てはめてみると、支払うべき養育費の相場は1か月あたり8万円~10万円となります。
義務者の年収と子どもの人数によって金額は異なる
例1と例2を比較してみるとわかりますが、義務者(支払者)の年収と子供の人数によって大きく金額が異なる事がわかります。
もちろん目安なので、必ずしもこの金額内に収まるとは限りません。親権者(母親)の実家が大きな財産をもっていたら減額される事も考えられますし、逆に子供が大きな病気を抱えていて毎月の治療費が家計を圧迫しているような状態があれば増額される事もあります。
また子供の成長と共に食費は確実に増え、高校や大学に進学する際の費用は決して安くはありません。子供の成長(基本的に15歳到達が目安)と共に義務者が支払うべき金額は増えていく傾向にあります。
養育費はいつまで支払うの?
それでは、養育費の支払い義務はいつまで続くのでしょうか。結論から言うと、この日までという期限は存在しません。
子供が何歳になるまで養育費が請求できるのかは当事者同士の合意で決める事ができます。一般的には、以下の3つの例が多く、子供の成長と共に増額する事も多いです。
- 高校卒業又は18歳まで
- 成人するまで
- 大学卒業または22歳まで
離婚当初は高校卒業までと取り決めていたけれど、途中で年収が上がったので子供の為に22歳まで延長するといった変更も可能です。
また、22歳まで支払う約束であったが相手が再婚し新しい父親ができた、などの理由で、途中で支払いが終わる事もあります。
養育費の支払い時期は様々です。生活の変化に応じて臨機応変に変更する事ができます。
養育費には時効がある
養育費には、時効があります。養育費の時効とは、本来払うべきであった養育費を支払わなかった(支払えなかった)部分の債務が消滅する期間の事を指します。
例えば、養育費の支払いが滞ってしまった月があったとします。母親側が「〇年の〇月分の養育費まだだから払ってほしい」と督促をしたとしても、時効が成立した場合に支払い義務者は「〇年経ったからもう時効となり、払う義務はない」と反論することができます。
それでは時効となる期間はどのくらいなのでしょうか。
養育費の時効期間は5年
離婚する際に養育費の取り決めをしていて、すでに養育費が発生している場合、養育費の時効期間は5年となります。
養育費というものは毎月決まった額を支払う事が通常です。このような債権の事を「定期給付債権」と呼びます。民法にはこの定期給付債権の時効は5年とあるのです。つまり養育費は発生すると5年後に消滅するということになります。
養育費が時効となる例
例を挙げて説明してみます。
平成25年5月に離婚が成立し、6月から毎月6万円を養育費として支払う取り決めをしたとします。6月、7月と順調に支払えたけれど、8月は出費がかさんで払う事ができなかったとなった場合、この支払いができなかった養育費は5年後、つまり平成30年の8月には時効を迎え消滅してしまうという事です。時効を迎えた後で母親から督促されても、支払いの義務はないことになります。もちろん子供の健全な成長の為に、養育費はとても重要なものです。できる事なら遅延なく支払いができるほうが望ましいです。
養育費の減額請求をする方法
養育費の減額請求はできるのか
離婚し、養育費の取り決めを行ったが支払いが苦しくなってしまった。
人生には何が起こるかわかりません。仕事を変えて年収が大幅に減ってしまった場合、病気になって働く事ができなくなった場合、様々な事が考えられます。
支払いは厳しいが、愛する子供の為に何とか支払いたいと思われる方もいると思います。
そんな時、一度取り決めをした養育費を減額してもらう事が出来ます。
それではどのような減額方法があるのか一緒に見て行きましょう。
協議によって減額してもらう
養育費を減額するには、協議によって減額をしてもらうことが一番早く簡単な方法です。権利者(母親)に連絡して事情を説明し、納得してもらう方法です。
今まで誠意をもって支払いを続けてきた実績があり、かつ子供との関係も良好な場合は、比較的簡単に受け入れてもらえる事もあるでしょう。
ここでの大切なポイントは、給与が元通りになる・病気が完治してまた働く事が出来る等、事情が回復したらもう一度増額する意志があるという事をしっかりと伝える事、また口だけでの約束ではなく後で揉めないように書面に残す事です。
調停での減額請求
協議で合意が得られれば良いのですが、毎月一定の額が入ってきた権利者(母親)からすれば、減額はすぐには受け入れ難いのが本音でしょう。
ここでは、協議で減額要求を拒否された場合について見て行きたいと思います。
協議で減額要求を拒否された場合は、「養育費の額の変更求める調停」を権利者(母親)の居住する家庭裁判所に申立てる事ができます。
調停は裁判とは異なり、当事者同士が話合って合意をする事により争いごとの解決を図る事を指します。
第三者である調停委員が間に入り、双方の事情を聴いたうえで適切なアドバイスをしてくれたり、お互いの妥協案を提示してくれたりもします。
費用も裁判とは異なり、収入印紙1,200円と切手などの郵送費だけで済みますので、安価で済ます事が可能です。
ここで合意が成立すれば、確定した審判と同一の効力が生じることとなります。
調停が不成立の場合は審判手続きに移行
一方で調停でも合意が得られず不成立となれば、調停を申し立てた時に審判の申し立てがあったとみなされ「審判」手続きに移行します。
審判手続きは、裁判官が当事者(権利者、義務者)から提出された資料(源泉徴収票や病気の診断書など)に基づいて判断を決定する手続きの事です。
いずれにしろ正答な理由があれば養育費の減額請求は認められる事があります。状況に変化があり、支払いが困難になった場合は、上記のような手続きをとって減額を申し出ることが可能です。
養育費と面会交流
事情があり、養育費の支払いがきつくなってしまった。どんな人でもそんな状況に陥る可能性があります。そんな状況でも、愛する我が子に会いたいと思うのは当然の親心です。
しかし、権利者(母親)の中には、「養育費を払わないなら面会させない」と言ってくる方もいます。
しかし、養育費と面会交流はそもそも関係がありませんので、どんな状況であろうと面会交流を行う事は可能です。
なぜなら養育費を支払う事は親の義務ですが、面会交流をすることは子供に与えられた権利でもあるからです。
関係が良好であれば、離れた親と会いたいと思う気持ちは当然のものです。
養育費の支払いをめぐって面会交流を拒否されるなどの事があれば、権利と義務の関係を伝えてみてください。
それでも拒否されるようであれば、面会交流についての調停を申し立てる事も可能です。
まとめ
離婚は精神的なダメージが大きく、子供と離れ離れになってしまう事もある辛いものです。
親として子供の成長を切に願い、可能な限りのサポートをしていきたいという気持ちは当然のものです。
長い人生何が起こるかわかりませんが、出来る事なら我が子の明るい未来、笑顔を守っていく為に誠意をもって養育費の支払いを続けていきたいものです。
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